個人的 パーカー音源紹介 50
録音音源:
1953年 7月26日 N.Y. Open Doorでのライブ収録 (1st, 2nd set)
主な収録CD:
PHILOLOGY「BIRD'S EYES Vol.24」(1st, 2nd set)
ember records「CHARLIE PARKER At The Open Door」
1953/ 7/26
(as )C.P.
(tp )Benny Harris
( p )Al Haig, Bud Powell(?)
( b )Charles Mingus
(ds )Art Taylor

1st set

  1. Out of Nowhere
  2. Star Eyes
  3. Cool Blues
  4. East of the Sun
  5. The Song is You
  6. 52nd Street Theme
2nd set
  1. Ornithology
  2. Scrapple from the Apple
  3. My Old Flame
  4. My Little Suede Shoes
BIRD'S EYES Vol.24


 この音源を紹介するためだけに「個人的パーカー音源紹介」を50回まで書きつづけてきたといっても過言ではない、今回はそんなOpen Doorでのライブ収録の紹介です。

 当サイトを開設してからもパーカーの音源をいろいろ聴いてきましたが、結局これ以上にパーカーの良さを引き出しているとおもわれる音源に私はいまだ出会えていません。現時点で最高のパーカーの音源だと個人的には思っています。

 ライブハウスOpenDoorの客席のベストポジションから捉えた、ライブの臨場感とほどよい残響感を持った録音は、パーカーのサウンドの透明感、突き抜け方を充分に捕らえています。トニー・スコット氏たちが証言している、「パーカーが吹くとライブハウスが震える」という圧倒的な力強さと、個性・情感などのサックスでの表現行為さえ昇華した虚心坦懐のサウンドが、朗々と響くロングトーンひとつからも聴こえてきます。
 他のパーカーの音源ではなかなか困難なのですが、この音源はまずはできるだけ音量を上げて浴びるように、パーカーのサウンドに包まれるようにして聴いてみてくださいませ。

 このとき残された音源の全セット全曲、全部良いのですが、 「Star Eyes」「The Song is You」「East of the Sun」、テーマを吹くパーカーのサウンドの透明さだけで心奪われます。アップテンポの「Ornithology」「Cool Blues」「52nd Street Theme」のソロの切れ味。そのフレーズは繰り出されるそばから聴いている者の意識のひだに食い込んでくるようです。アート・テイラーのドラムスの刻むリズムへの乗りにまったく破綻をみせず吹き続けて起承転結を付けていく姿に、いまさらながらシビれます。 「Scrapple from the Apple」にいたっては、超アップテンポでの吹きっぷりと目くるめくソロの展開に言葉を失ないます。

 なおこれは余談ですが、BIRD'S EYESでの音源を聴くと、当時の録音方法のせいかと思いますがイントロとラストがぶつ切りになって前後の曲とつながってしまっています。しかし聴いているうちにこの収録が不思議なつながり方をするメドレーであるかのような感覚におそわれ、それにも愛着をおぼえるようになりますヨ(ほんまかいな?)。

(個人的パーカー音源紹介51に続く)

 

 

2001. 9.28 よういち 

 

 

Permission granted by Doris Parker under license
by CMG Worldwide Inc. USA

ホームへ 音源紹介メニューへ   Back | Next