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西海岸のオレゴン大学でのコンサート。ウエストコーストの猛者たちとの共演ですね。 イーストコーストのビ・バップの演奏とは雰囲気が全然違います。 「Barbados」では最初にシェリーマンのドラムのソロから演奏が始まりますが、頭から一分以上ものドラムのソロを経て演奏に入るパターンは従来のビ・バップの演奏ではめったになかったのではないでしょうか。少なくとも他のパーカーの録音には見受けられません。このあとドラムとベースとで「どんどんだーん、どんどんどだららた」というリフで演奏が始まります。これまた従来のビ・バップの演奏では聴かれませんが、このリフがおもしろい。おかげでSavoyでの同曲の演奏とはイメージの違う躍動感のある楽しい演奏になっています。 そして超アップテンポの「Cool Blues」。パーカーの他の演奏だったらドラムもベースももうちょっと煽り立てるような重量感と粘りのあるリズムを刻んでいるとおもうのですが、この音源ではさらっと軽快にスピード優先で疾走していきます。そのスピードにパーカーのソロのフレーズもするするっと巻き込まれていきます。ベタベタのパーカーフレーズがでてきますが、おなじみのフレーズもものすごい疾走感をおびたものになり、むちゃくちゃ気持ち良い。 全体的には、イーストコーストのビ・バップの持つ黒っぽさが薄らいで、明るさと軽やかさが感じられます。 もしパーカーがウエストコーストジャズにどっぷり漬かっていたら・・・、それはそれでおもしろいものになるのではないか。そんなことを思わせてくれる演奏です。 もっとも、プレイヤーの協調性が必要であろうウェストコーストジャズは、パーカーには長続きしないかも。
2001. 9.16 よういち
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