個人的 パーカー音源紹介 36
録音音源:
1948年 7月11日 N.Y. The Onyxでのライブ
主な収録CD:
Mozaic「The Complete Dean Benedetti Recordings of Charlie Parker」
Debut「BIRD on 52nd Street」(一部分)
1948/ 7/11
(as )C.P.
(tp )Miles Davis
( p )Duke Jordan, Thelonious Monk
( b )Tommy Potter
(ds )Max Roach
(voc)Kenny Hagood
  1. All the Things You Are
  2. ballad ending
  3. Well You Needn't
  4. Big Foot
  5. I Can't Get Started
  6. Dizzy Atmosphere
  7. Spotlite
  8. 52nd Street Theme ( I )
  9. How High the Moon
  10. September Song
  11. Hot House
  12. 52nd Street Theme ( II )
  13. Night in Tunisia
  14. My Old Flame
  15. The Hymn
  16. Half Nelson
  17. Little Willie Leaps
Complete Dean Benedetti Recordings of Charlie Parker


 バードのバンドの'48年当時の日常。さりげなく収録されていますが、ここではどうしても「Well You Needn't」でのセロニアスモンクとの共演に目がいってしまいます。当時こんな共演がしょっちゅう行われていたんですから、ものすごい日常ですね。もっと音源として残されてもいいとおもうんですが。

 さすがパーカー馬鹿のベネデッティ。テーマが演奏され、モンクのソロに入るとすかさずレコーダーを止めてしまいます。というわけで、次の瞬間には唐突にパーカーのソロが始まります。
 モンクは淡々とクサビをうちこむようにバックをつけていきます、ピアノの一音、一音がクラブ全体に固く響き渡ります。驚くことに、そのサウンドの重みにあの絶頂パーカーがおされぎみです。いまいちソロがうまく発展していきません。パーカーが飛翔しようとするとモンクのピアノが「ごーん」と鳴り響いて追撃されてしまう感じです。演奏している曲自体、さすがのパーカーも当時まだ不慣れだったんじゃないでしょうか。パーカー不完全燃焼のままソロが終わってしまいました。

 自分でもソロが気に入らなかったのか、ほんとはこの曲自体をまだ良く覚えていないのか、パーカーは後テーマを吹くのを途中で放棄してしまいます。パーカーが吹いていても、吹くのをやめても淡々と鍵盤をたたくモンク、なにをおもう。

 

 

 

2000. 2. 7 よういち 

 


 

 最近またこの日の音源を繰り返し聴いていますが、近頃のお気に入りは「Big Foot ( Drifting on a Reed )」と「Spotlite」。思い切り吹き倒すようなまねをせず、間をしっかり取りながらミディアムテンポでじっくりと吹いていくパーカーのフレーズのおもしろいこと。

 ベテランの落語家のようにようにじっくり語って最終フレーズに最低音でオチをつける「Big Foot」、徐々に盛り上がって1分10秒すぎくらいで極上の楽しいフレーズを聴かせてくれる心はずむ曲「Spotlite(元ネタはJust You Just Meか?)」、パーカーのキャリアの中でもフレーズの柔軟さに満ちたこの時期まででないと出せない味わいです。  

 

 

2001. 7.24 よういち 

 

 

Permission granted by Doris Parker under license
by CMG Worldwide Inc. USA

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