個人的 パーカー音源紹介 17
録音音源:
1940年 11月 30日 Kansas City の Wichita でのスタジオ録音
主な収録CD:
STASH「Early Bird」
Master of Jazz「Vols. 1&2 YOUNG BIRD 1940-1944」
1940/11/30
(as )C.P.
( p )Jay McShann
(tp )Buddy Anderson, Orville Minor
(ts )William J. Scott, Bob Mabane
(tb ,vln)Bob Gould
( b )Gene Ramey
(ds )Gus Johnson

  1. I've Found a New Baby
  2. Body and Soul
  3. Moten Swing
  4. Coquette
  5. Oh! Lady Be Good
  6. Wichita Blues
  7. Honeysuckle Rose
Early Bird

 パーカーのごく初期の録音、ジェイマクシャン楽団に在籍中の頃の録音です。パーカー、弱冠二十歳にして、すでにファーストソロもバンバンまかされて、楽団の大きな目玉となってます。

 実際に聞いてみてまず気が付くのが、アルトの音色が本格的にBE-BOPが行われている頃とはぜんぜん違うことです。信じられないくらい青くて、そしてとても澄んでいて繊細。BE-BOP期の音色の野太さが信じられないほどです。「Body and Soul」「Coquette」などのスローな曲だと、この澄んだ音がたまりません。

 それでもってアップテンポの曲のサウンドに耳を傾けると、影響を受けてるといわれながら、BE-BOPの演奏にはほとんどかんじられなかったレスターヤングの影を確かにかんじることができます(むしろ'42年のSavoy Ballroomのライブの方が強くかんじたりもしますが)。

 とはいえ、やっていることは完全にオリジナル、しっかりパーカーしているんです。まだまだ未発達ですが、独特のノリ、飛翔感はしっかりかんじられます。
 スイングスタイルの演奏をする楽団の中でパーカーがソロを取ると、もういきなり別世界の空気にかわります。小粋にスイングしていた楽団全体がまったく異質なテンションに支配されてしまいます。リズムが一世代前のものだと余計にその異質なテンションが際立ちますね。

 STASHの「Early Bird」には、パーカーの抜けた'44年のジェイマクシャン楽団の演奏も入っているんですが、ジョンジャクソンはじめサックス陣のことごとくがこの当時のパーカーの影響をモロに受けてしまっています。むりもないです。

 

 

1999. 5.26 よういち 


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by CMG Worldwide Inc. USA

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