個人的 パーカー音源紹介 16
録音音源:
1949年 11月 Chicago の Pershing Ballroom でのライブ
主な収録CD:
PHILLOGY「BIRD'S EYES Vol. 2/3」 Items 1-12
PHILLOGY「BIRD'S EYES Vol. 14」 Items 13-16
PHILLOGY「BIRD'S EYES Vol. 18」 Items 17
PHILLOGY「BIRD'S EYES Vol. 5/6」 Item 6. long ver.
1949/11
(as )C.P.
(tp )Red Rodney
( p )Al Haig
( b )Tommy Potter
( d )Roy Haynes(Max Roach?)

  1. Perdido (short)
  2. Wee (short & long)
  3. Hot House (short & long)
  4. Cheryl (short & long)
  5. I Can't Get Started (short & long)
  6. Groovin' High (short & long)
  7. I Cover the Waterfront (short & long)
  8. Confirmation (short & long)
  9. Now's the Time (short & long)
  10. Smoke Gets in Your Eyes (short & long)
  11. Ruby My Dear (short & long)
  12. Big Foot
  13. How High the Moon
  14. Cool Blues
  15. Stardust (voc)
  16. All the Things You Are
  17. Stardust
BIRD'S EYES Vol. 2/3

 おぉ曲数がいっぱい、とおもったら、ShortバージョンとLongバージョンがあるんですね。ライブを録音した人が二人いたんでしょうか。音質はどちらが良いか優劣つけがたいですね、というよりも「どっちもどっち」。
 初期の BIRD'S EYES シリーズにかいてある

  「IT'S NOT HI-FI BIRD, BUT IT'S HI BIRD!」

の一文が泣かせます。

 そんなプアな録音の中、このセッションのなかで個人的に思い入れのある曲が「Smoke Gets in Your Eyes」です。

 Shortバージョンで、ロドニーの吹くテーマのあと、パーカーはテーマのサビの部分を吹き始めます。むかしはじめてここを聴いた瞬間、わたしの体はかたまりました。この演奏に惹きつけられて、じっと体をすくませていることしかできなかった。
 冷静に聴いて、具体的になにが優れているとは全然いえないものです。貧弱な音質でなんの変哲もない原曲そのままのフレーズです。「別になんでもない演奏じゃん」と人にいわれてもすんなり納得できます。ですが、わたしには圧倒的に惹き付けられるものがありました。
 音質が貧弱で、(合間にアドリブをはさんだりはするけど)原曲そのままに吹かれて、そういった音楽的技術が切り捨てられた状態できこえてくるサウンドだからこそ、かえって無垢なパーカーのサウンドがきこえてきます。

 パーカーのアップテンポの圧倒的な演奏しかあたまになかったわたしが、パーカーの別の一面、パーカーの吹くスタンダードについて考えはじめたのはこのころからです。

 

 サイドの人もいい演奏をしてるとおもいます。レッドロドニーも大奮闘してますが、ここはアルヘイグでしょう。
 この、からだの芯に、やさしく、それでいてするどく突き刺さる、独特のピアノの響き。「Ruby My Dear」が、なんだってこんなに美しく弾かれてしまうんだ。

 

 さて、今回はじめて気づいたんですが Vol.14などにもこのライブの続きが入っていたんですね。なんで気がつかなかったんだろう。聴いてみなきゃ。
 ・・・・・えと、カタギのひとは聴かなくていいです。気がつかなかった理由がすぐわかりました。いくらなんでも・・・これは・・・。

 

 

1999. 5.18 よういち 


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by CMG Worldwide Inc. USA

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