CHARLIE PARKER の 録音 と オーディオ
JAZZに限らず歴史的演奏家の作品が、古色蒼然とした録音でしか残っていない場合、ファンは残っている音でしか生前の音を聴くことしか出来ません。レコード創世記の頃の録音しか残っていない場合は、もう運命と諦める外はありませんが、戦後のジャズメンであるチャーリー・パーカーの録音が単に「古い」、「音が悪い」といった理由で聴かれていないとするならば、それは大変残念なことであると思います。ファンの方ならご存知の通り、パーカーのアルト音の美しさは大袈裟ではなく木管楽器史上の遺産だと思うからです。
しかし、パーカーの音は他のレーベルの作品で十分理解できることもまた事実だと思います。普通の録音を普通に鳴らすことの出来る装置と、それを聴き取る耳があれば十分にあの至上の音を聴くことが出来るはずだと思います。ジャズ・オーディオ・ファンならご存知の「BASIE」菅原昭二氏も、普通に録音された盤から音楽の感動が得られないのならばそれは装置に欠陥があるのであって、真空管スーパーラジオ(またはラジカセ・ウォークマン)で感動して音楽ファンになった人間であるならば先ず自分の装置の欠陥、次に自分の堕落した耳を疑うべきだといわれておりました。 そう考えると、現代の優秀録音盤と40年代~50年代初頭のごく普通の盤を音楽的な音で鳴らせる事が出来る装置は、実はそんなに簡単な事ではないのではと思います。と言いますのは、パーカーのダイアル盤の音に今の自分の装置から比べても比較にならない程劣るとされる装置で感動したあの美しい音の経験が、今でも調整が上手くいっている時には味わえるからです。不調の時にはただ単に音の悪さだけが気になってしまう(バランスが悪く音楽の音の部分以外が増幅されるシステムになってしまっている)という事ときっと関係があるのではと思います。
音楽を聴く装置はパーカーの音の美しさが聴ける装置であるはずです。ダイアル盤を筆頭に数多くのレコードにあの至上の音が収められているはずなのに、「音が悪い」といって敬遠する一部のファンがいることは残念な事と言わざるを得ません。
1999. 3.21 Tannoy Fan Club 管理人
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