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136thストリートセッションと呼ばれる音源の一部です。ニューヨークの136番通りのとあるアパートの一室でのジャムセッションのようですが 、そうとうな防音アパートだったんでしょうね。 実際の演奏ですが、パーカーの音ははっきり聞こえるもののマイクが近づきすぎているような感じで、音質はちょっときびしいかもしれません。リズムセクションの音がめだたず、ベースの音もまるで聞こえてこないのが痛い。 パーカー自体を聴きなれておらずここで演奏されている曲そのものを知らない方にとっては、パーカーのサックスの音が漫然と耳の中に流れ込んでくるばかりで、曲の流れも見失いかねずちょっとキツイかもしれません。 しかしながら、必死にバッキングと曲の流れをイメージしつつパーカーの吹くメロディーを何度も反芻しながら、粘り強く聴き込んでいくうちに、これでもかこれでもかと積み重ねられていくパーカーのフレーズの構築美に酔いしれることになります。音質を気にしなければパーカーのソロはくっきり聞き取れるのでパーカーのソロの研究をする方には適した音源かも。 最初のテーマ部分のオブリガートから始まり、徹頭徹尾つらつらとパーカーがひとり吹けるところまで吹きつづける「All the Things You Are」、音のバランスさえよければあのBands for Bondsのラジオセッションでの同曲のような高揚感が感じられるのではないかとさえ思わせる「Fine and Dandy」あたりを私は楽しんでます。 蛇足ですが「Half Nelson」のテーマのフロント陣のハモり具合も気持ちいい。 他の者はどうでもいいからとにかくパーカーのソロだけを取りたかった録音者の気持ちが、その音質からひしひしと感じられる音源ですね。
2002. 3. 3 よういち
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