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なんだか、パーカーのスタジオ録音をないがしろにするようなことを私は今まで述べているような、そんな気がしてますが、そんなことないです。SAVOYで目覚めてDIALで育った、その義理はわすれちゃぁいません。
さて、DIAL。わたしがジャズを聞きはじめたごく初期にマスターテイク集(ほぼ)の、東芝EMI「CHARLIE PARKER STORY ON DIAL Vol.1 ,2」を,
CDレンタルで借りてテープにダビングして楽しんでいたことを思い出します。初めて聞いたときの印象が「むちゃくちゃ汚ねえ音だな」というものでしたが、パーカーの中では最良の録音だったんですねぇ。 気持ち良くひたるのはいいのですが、豊かなサウンドが際限なく放出されて刹那的に葬られていくそのできごとの重さ、そしてその瞬間のエネルギーのまぶしさには、SAVOYの「Warming Up A Riff」に感動するまで、気づいていませんでした。 それにつけても「Crazeology」、なんでわざわざエネルギーを放出してしまうのに、このような切迫感をもたなければならないのでしょう。ここで私のいうテイクはA~DのうちのCテイクなのですが、この曲では、放出されるエネルギーをなんとかそのままの質量で私たちの身体へぶつけようとする、パーカーの意志が感じられるような気を起こさずにいられません。
全体的にこの日の録音を見てみると、ほぼ鉄壁と化したパーカークインテットにJ.J.ジョンソンのトローンボーンが入り、DIAL全録音のなかでも、最後の収録だけあって隙のない演奏だとおもいます。 これらの演奏を聞いて育ってきたことがあるので、DIALの録音でマスターテイクなどを集めたものが、まずはパーカー初心者に薦められるのではと私個人としてはおもいます。
1999. 3. 9 よういち
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