バードに対するベネデッティ氏の熱き思い  

 

ディーン・ベネデッティ氏の名前はバードのファンの方ならご存知 であると思います。先頃氏の私家録音である『The Complete Dean Benedetti Recordings of Charlie Parker』を入手 し一通り聴きました。CD7枚組のバードのソロを録音した力作で あります。
一言では言い表す事は難しいのですがベネデッティ氏の バードに対する熱き思いが伝わってきます。私家録音だけに録音 はご想像にお任せしますが、玉石混合でノイズが多くバードのソロ が聴きずらい曲もありますがこれは現代ジャズ史に残る素晴らしい 記録でありバードの音楽を研究される方には必携の作品だと思い ます。

Copyright (C) Mosaic Records
The Complete Dean Benedetti Recordings of Charlie Parker
では何故ベネデッティ氏は私財を投じてバードをひたすら追いかけ バードのソロを録音したのでしょうか?
氏は自らもサックス奏者でありトロンボーンのジミー・ネッパー氏と一緒にバンドを持っていた人 です。バードの演奏を聴いて氏はサックスを辞めてしまいました。 それ位バードの演奏はベネデッティ氏を驚かせたのです。1947年 から48年にかけてジャズ・クラブの天井裏や洗面所の中から等の 方法でバードのソロを録音したのです。
何故ベネデッティ氏はここ まで熱くなったのでしょうか?

そこにある答えは『バードのアドリブとモダンなフレーズ』に参ってし まったのだと思います。
ここでのバードは絶好調で特にBlues In B♭の洗練されたアドリブ・フレーズ、又52nd Street Themeの もの凄いスピード感、及びドライブ感を聴けばベネデッテイ氏が、 参ってしまった事は充分納得できます。でも私財を投じてまで、 できる人はまずいないと思います。
氏はこの録音テープを残して若くして亡くなってしまったのですが、今私たちバード・チェーサーが この情熱のこもった録音を手軽に聴けるのもベネデッテイ氏の、 バードに対する熱き思いがあったからこそのものであります。

私もバード・チェイサーの一人としてこの大切な遺産をなんらかの 形で後世に伝えたいなどと思っている次第ですが、私財はありま せんので投稿の場をお借りして文章で、一人でも多くの方に聴いて 貰いたいと思い書かせて頂きました。

Mr Benedettiは世界一のバード・チェイサーだと思っている次第 です。

 

 

2002. 2. 9 小西 謙
 

追記: 『The Complete Dean Benedetti Recordings of Charlie Parker』に興味のある方はリンク集へどうぞ。オンライン販売への案内をしています。(2002. 3.17 よういち)  

 

Photos in this page is from Mosaic Records
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