Bird Lives: 没後 その2
(改訂第2版:草案)


この文章は、素晴らしいパーカー・トリビュートサイト"Bird Lives"掲載の文章を、著者Llew Walkerさんのご好意により、私が和訳したものを掲載したものです。義務教育レベルの英語力で「エイヤァ」と訳したものですので、問題のある個所がいくつもあろうかと思います。間違いをご指摘いただけると幸いです。
また資料的な使い方をする場合は、くれぐれも原文を参照いただきますようお願いします。 (よういち)

原文はこちら:"Bird Lives: The End and After"


*

チャンは、叔父のロイドがベルビュー病院の遺体を確認すると、それをウォルター・コーク記念館か(ケン・ヴェイルの著書の説)、一年前に娘プリーが送られたキャンベル葬儀場(チャンの言)のどちらかに送るようにと伝えた。チャンはプリーと同じ墓地に埋葬しようとしたのだ。だが、チャーリーの正妻であるドリスが到着すると、彼女が葬儀を取り仕切ることになり、遺体はユニティ葬儀場に送られて、別の計画で進められることとなる。

生前チャーリーは、カンザスシティには埋葬されたくない、親しい友人と身内だけで行い大げさにしないでほしいと周囲に洩らしていた。だがドリスは138丁目通りの大型公共施設アビシニアン・バプティスト教会で公開安置するようにした。尊師リコリッシュ(甘草、リコリス菓子)というおかしな名前の者が司会をつとめて、故人を”チャーリー・バード”と呼んで無神経さを表した。葬儀には「ザ・ロスト・コード」が流れたが、その生涯チャーリーがコードを見失ったことは無いと言われている。ジャズ界の著名人が棺を教会から運び出し、一度落としそうになった。チャンはつぶやく「彼を生涯ビジネスや金銭面で利用しようとする人達が棺をかついでいる。こっけいなことだわ。バードの名前を利用しているのね。」そしてディジー・ガレスピーとノーマン・グランツの助力を得て遺体はカンザスシティへ送られ、彼の家族の墓地へ埋葬された。

ドリスの言い分としてはこうだ。
「チャーリーはお母さまをとても愛していました。でも生涯不幸を重ねてきました。彼女にとって彼が一番そばに居て欲しい人だとわかっていながらも、断わっていたのだと思います。チャーリーは時々カンザスシティは好きじゃないと言っていましたけど、私生活にかかわる人々についても真実でないことを語っていたのですから。でもお母さまのことは本当に愛していました。彼女の望みはカンザスシティで一緒に埋葬されることでした。カンザスシティでの葬儀は”Repetition”が演奏されて、本当に素晴らしいものでした。年配の人も若者も集まりました。チャーリーの生涯を知り、一緒に育ってきた人たちです。チャーリーがカンザスに帰りたくなかったなんて書いてある記事を見ると腹が立ちます。」
「私がニューヨークへ行ったことについてはディジーに聞いてみてください。私は葬儀を平穏に、反感を買うことなく行うようにチャンに約束しようと思ったのです。でもチャンはそう取らなかったみたいです。ご存知ではないとおもいますが、私がチャンを参列させるようにしました。私ではなく彼女を前列に座らせたのです。彼女自身が自分を不幸にさせていたように感じます。」

チャンはこう語る。
「ドリスはバードの遺体を取り扱う権利を持つメキシコの重婚証明書を見せて、ハーレムの葬儀屋へ遺体を持って行きました。そこには公開葬儀の告知文が掲げられていました(なんで葬儀に皆を呼ぶのでしょう)。私が何の問題も起こさず、バードを彼の意に沿わないカンザスシティに埋葬することを許せば、母アディの死後には墓を掘り起こしプリーの墓と並べてお墓を立てると彼女は約束したのです。(・・・)バードの子供の母親として、私は表向きに未亡人として振舞わなければなりませんでしたが、一方ドリスは法の力を行使しながらも、目立たないよう振舞っていました。(・・・)ポン引き、麻薬売人、華美な売春婦がファンの人々にまざってハーレムに集まり、葬儀場に参列していました。生前バードにたかり、死んでからも利益を得られないかと思っているようなビジネスマンも参列していました。」

ディジーは語る。
「皆はバードをニューヨークのどこかに埋葬しようとしていたよ。でも、う~ん、適切とは思えないな。バードの母親は今までずっと離れていたんじゃないか。自ら墓へ出向いていって花を添えてやったほうが、彼女も喜ぶんじゃないかな。」

しかしながら、一連の出来事の要因をレベッカ・ラフィンはかなり違った視点で見ている。レベッカとのインタビューでアニタ・J・ディクソンはこう記述している。
「チャーリーのチャンとの内縁関係には、第3の”妻”であるドリス・シドナーが異議を唱えました。アディも彼の遺体の所有権を主張するための証拠を提出することが出来なかったので、大立ち回りを演じました。息子を取り戻すためにチャーリーとレベッカの婚姻許可書を取り寄せ、レベッカの兄弟であるウィンフリー・ラフィンをニューヨークへ遣わしたことで、チャーリーをカンザスシティへ埋葬することができたのです。これは私の知恵でできることではありませんでした。」
レベッカは語る。
「チャーリーの葬儀など全てはニューヨークで行われました。ドリスとチャンは争っているばかりでしたが、パーカー夫人が全てを統括していました。」
「パーカー夫人はチャーリーを取り戻すためあらゆる手を尽くしました。」
「私は何も手を貸せませんでした。全ては彼女がしたことです。どうしたら彼と一緒に居ることができるか、彼女は常に見据えていたのね。そしてその通りになったの。」



(続く)


2007.12.22 Llew Walker
日本語訳 よういち



This text is from "Bird Lives" translated into Japanese,
with permission granted by Llew Walker.

Permission granted by Doris Parker under license
by CMG Worldwide Inc. USA


ホームへ  BIRD'S NEST メニューへ   Back | Next