バードは別格
私にとってチャーリー・パーカーはジャズ界の中でも別格のミュージシャンです。
良いジャズはやはり直接身体に訴えかけてくるものだとおもっています。 ウエイン・ショーターなんか良い例なんじゃないかとおもいますが、あのどこにもたどり着かないメロディーの浮遊感覚は、流されるような、身体から徹底的にズレまくっていくような気持ちよさがあるとおもいます。 もともと本人がそういう身体感覚の持ち主だったのか、通常の身体感覚との違和感を本人が発見して自分のものにしていったのかはわかりません。しかし自らの身体感覚を原点としてジャズの快感を生み出す術を磨き上げていったとみるべきだとおもいます。 話はそれますが、現在のジャズで起こっている最大の問題点は、たぶん、良いジャズを生み出そうとする頭の良いジャズメンが、こういったことに意識的になりすぎて、違和感を求める際に、身体感覚を原点に出発することが難しくなってしまったという点ではないでしょうか。そのためあざとさが鼻に付く演奏ばかりが多くなってしまうのだとおもうのですが・・・。
ビ・バップの時代なんか、パーカーがそのサウンドを完成させて、皆、絶望的になったでしょうね。いわゆるひとつのジャズが行き詰まってしまったとおもいますから。サックスなんて何個もニューヨークの河にほうりこまれたりして。そしてきっと若きころのマイルスあたりが最初に「こら、あかん」とおもって、方向転換をしはじめたように私にはみえます。クールな違和感を求める方向へ。
そのおかげで、かえってモダンジャズは花開くことになったんでしょうけど。たぶん。
1999. 2.14 よういち
Photos in this page is from "The Golden Age of Jazz" by William P. Gottlieb
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